「もし私に高校生くらいの子どもがいたとして、もしその子が『大学へ進学したい』と言った場合、高校卒業後の大学進学先に、選択肢として放送大学はアリなのか。」
質問者は放送大学の学生だったので、彼は放送大学を指したのですが、この記事ではもう少し一般化して「通信制大学」としておきます。
質問の意図は私が通信制大学への入学を促すような本をいくつか出していることから、「通信制大学が高校卒業後に行く高等教育機関としてオススメの大学なのかどうか」、「身近な人にまでお勧めできるのかどうか」ということだと思います。
いちおう、私の正式回答はこれです。
高校卒業後の進学先として、アリかナシかを聞かれれば、アリです。
ただ、進学する本人が望む、未来の自分になるために、最も適した教育機関を選ぶべきだから、通信制大学が適当ならアリで、通信制大学が適当でないならナシということになります。
だから、もし私が高校生から進路相談を持ちかけられたとすればこんな感じになります。
大学院へ進学するつもりの人
「法科大学院へ行きたい」という目標があって、大学院の受験資格が欲しいと思い、とりあえず大卒がほしいというなら、学費や拘束時間・単位の取りやすさを考えれば、通信制大学が最短・最適だと思います。
一方で、一からしっかり法律学を学んだ上で法科大学院へ行きたいというのであれば、通学課程の法学部がある大学を選び、講義やゼミなどで鍛えられる環境を選ぶべきです。
医者になるなら医学部へ行け
「医者になりたい」という目標があるなら、医学部のある大学を選ばなきゃいけないので、通信制大学は最初から選択肢から外れますよね。
まぁ、私立の医学部で、2年次編入を受け入れているところは、学士入学に限る場合が多いので、初年度の学費を減らすためと割り切るのなら、時間と手間はかかるけど、通信制大学を卒業しておくのは学費の節約には使えますね。
就職したいなら最初の選択肢に大学を選ぶな
「まぁまぁ、そこそこの就職がしたい」という目標があるなら、私はまず2年制の専門学校へ行って卒業して就職すべきだと思っています。就職してから、通信制大学の3年次編入をすれば、働きながら大卒になることもできます。
こう考えてみると、「通信制大学は人に勧めることのできる大学か」という問いは、実はナンセンスなんですよね。
「国産の軽自動車は外車やスポーツカーの好きな人に勧められる車か」くらいの愚問です。
だって、スポーツカーが好きな人にはスポーツカーを買わせるべきだし、外車が好きな人は外車を買えばいい。ローコストで運送業を始めたい人には国産の軽トラック・軽自動車を買えばいいのであって、必要だと思うものに金をかけ、そうでないものには金をかけなければいいだけの話です。
つまり、通信制大学は、通信制大学が適していると思われる人に勧める。
そうでない人には勧めない。それだけなのです。
素晴らしいブログですね。
実は国立大学ですら自宅外通学を選択しようとすると奨学金のみで卒業出来ない場合があるという事実も記事にしてほしいです。
どうしても生活費が国から借りれないため通信大学に切り替えました^ ^
結局国は現役で国立大学が合格出来ない人間はいらないってことなんだって実感しました^ ^
もう国に期待するのやめました^ ^
だから専門学校は即戦力になりやすいことは事実ですが、早期にリストラされないためにも、時代が変わっても応用が利く基礎をしっかり勉強しておくことが大切だと思います