2019年02月04日

野田市教育委員会の愚行について

2019年1月24日、栗原心愛さん(10)が死亡したことについて、某マスコミの方から意見を聞かれたので、ざっとまとめておきます。

私の意見の前提となる取材は、全て報道によるもので、意見は私が過去に取材した似たようなケースをもとに述べたものであります。

まず、事件の流れを追うと、

2017年11月6日に小学校がいじめアンケートを開催し、このアンケートに「家族からの暴力を何とかしてほしい」と書いた心愛さんを翌7日に一時保護。ここまでは良かった。しかし、いつまでも保護する訳にもいかないので、翌12月に保護を解除し親族宅での生活を条件に保護を解除。ある意味、ここまでは仕方がないことかもしれない。

一連の経過を知りたいと思った父親(容疑者)は2018年1月12日に野田市に対して娘の書いたアンケートを見せろと要求。いったんは拒否したものの、心愛さんの同意書を持参し、市教委はコピーを渡した。

あれから1年が経ち、心愛さんが浴室で死亡した。

心愛さんの死亡について、一番悪いのは父親。それを見て見ぬふりをした母親。だからこの2人が逮捕されるのは当然。
ただ、問題なのは野田市教育委員会。

いじめに関するアンケートをコピーして親に渡したらどうなるか。
だって、犯罪被害者が書いた被害届を犯人に渡すようなものですよ。しかもその犯人は、これからずっと生活を共にする家族であり、衣食住を提供する側ですよ。物理的な暴力そのものは顔の傷とか見ればわかるけど、暴言やネグレクトなど、傷の残らない方法にシフトしたり、新たに先生に告げ口をしたら殺される恐怖を植えつけられるに決まっているじゃないですか。
その状況で書かれた同意書なんてあてになるはずありません。

被害者本人がどうにかしてほしいと言うのはよほどの勇気が必要です。勇気を振り絞って述べた彼女が1年経って死亡した。これは生命の危険を感じた時に、一番頼りになるはずの「親」、そしてその次に交流できる大人として「教師」、この二者に裏切られた子どもに、第三の道などあったのでしょうか。

私は小中学校で、同級生や先輩から壮絶ないじめを受けたことがあります。私は親に言っても、教師に言っても、解決することがありませんでした。なぜなら、一度は加害者に注意しても、二度目からは被害者に対して口止めをするからです。あれから30年以上経過していますが、今でも私はあの時の恐怖や絶望感を忘れられません。

一方、野田市教育委員会の職員にも同情すべきところはあります。
今回の容疑者たる父親は、モンスターペアレンツまたはクレーマーであります。こういうクレーマーは、あからさまな暴力は使わなくても、暴言や執拗な面会要求を行います。効力の有無はともかく、市長・市議会議員に通報するとか、訴訟だ弁護士を依頼するなど、連日のようにクレームをされると、職員にしてみれば「将来起こるかどうかわからない重大な事故(死亡とか)」よりも、「目先の事故(職員の能力不足が露呈したり、時間が取られてしまうこと)」を確実に防ぐ方が簡単なのです。ラクなのです。
教育委員会の職員、しかも事務局に常駐する職員は、いわゆる市の事務職員か、教員資格を持った教員からの出向です。子どもに対するトラブル対応はできても、その親に対する対応力は乏しいのが普通です。また、政令市などではトラブルに慣れた職員や市の顧問弁護士に依頼できる態勢がありますが、野田市くらいの規模では少数の職員がいくつもの業務を兼務していることがたくさんあります。

もともと要求されていない能力が必要な上、人材不足・人手不足の中で、目先の仕事を終わらせることで「解決」としてしまう気持ちもわかります。

だからといって、こんなことを許してはいけません。なぜなら、今回のいじめアンケートは、開示しちゃいけないことはスクールカウンセリングの基本中の基本で、本人が開示を希望していないものについてはもちろんのこと、開示を了解していると言われても、暴行犯人と児童の関係を見れば、家庭内でどのようになるか、想像がつかない方がおかしい。
大学出たんでしょ?
教員免許取れたんでしょ?
ヤバい親とかクレーマーの知識は少しくらい持っているんでしょ?
その程度の認識の人が、教育の現場にいて、教育委員会を組織していることについて、問題視しなければいけません。

公務員には告発義務がありますよね。その義務をきちんと履行する方向で、最初から警察に相談しておけば良かったのではないかと思います。


野田市教育委員会、虐待女児を“見殺し” 「いじめアンケート」回答コピーを逮捕の父親に渡す  専門家「軽はずみで非常識」

posted by まつもとはじめ at 16:52| 神奈川 ☀| Comment(0) | 教育問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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